課外活動

傷

2001年4月12日-15日 @新宿シアター・モリエール

傷チラシ

キャスト

宅間孝行・西村清孝・水谷日香理・阿南敦子
野田和代・森下まひろ・砂塚 舞・永田恵悟
丸山 麗・野口小百合・嶺乗 崇・杉田吉平
越村友一・藤田京子

スタッフ

作・演出/サタケミキオ 照明/日高舞台照明
舞台監督/加治真理 舞台監督/冨広陽子
舞台美術/向井登子 音響/飯島弘敬
宣伝美術/山本恵章 振付/POSA 演出助手/藤田京子
制作/甲斐大櫻(クールステージ)・碓井夕梨子

ストーリー

ガキの頃から何をするにもつるんでいた二人、陵と圭介。3流私大の陵と年少上がりで工場で働く圭介は、将来一緒に会社を経営するという夢をほんのりと胸に抱えながら、お馬鹿で陽気な日々を送っていた。

ある日、馴染みのお店でヘルス嬢の若菜という女の子と出逢った事で明るい二人の生活に暗い影を落としていく。

時は経ち、10年後。陵は若菜と共にホテトル「エンジェル」を経営していた。ホテトルの経営は順風満帆とはいえないが、馬鹿で明るいホテトル嬢達と賑やかな生活を送っていた。そんな中、エンジェルに勤めるホテトル嬢の旦那が「家内がここで働いているんじゃないか」と押しかけてくる。てんやわんやの大騒ぎの中、今度は若菜が「圭介が出所してきた」と大慌てで帰ってくる。圭介はm子供の頃のトラウマで風俗業に対して異様なまでの嫌悪感を抱いていた。

「ホテトルやってるなんてばれたら殺されちゃう!」訪ねてきた圭介の前で、一致団結してホテトルをやっている事を誤魔化すエンジェルの面々。一人、誤魔化す事に気乗りしない陵。しかし、何とかその場を切り抜け、取敢えずほっと胸をなでおろしたのもつかの間、今度はエンジェルに強制捜査が入る事が判明。陵の逮捕が決定的となる。愛する陵が逮捕されると知った若菜はとんでもない計画を口にし始める。

エンジェルと陵の運命は・・・

そして、圭介は何があって10年の刑に服していたのか・・・

解説

東京セレソンDXと名前を変えての第1作目。「傷」という言葉をキーワードに、陵と圭介の友情、陵と若菜の愛、その他の登場人物たちの抱える切ない現実を描いた作品。

構成的には、10年前の陵と圭介と若菜の3人のシーンとそれにリンクするかのような現在のホテトル事務所で起こる様々な事件のシーンが交互に展開されました。

悲劇として幕を閉じる事を微塵も感じさせない前半は、勘違いのコメディー、誤魔化しのコメディーに、強烈なキャラも健在のセレソンならではの笑いのシーンが炸裂、後半は人間模様をじっくり見せるシーンとセレソンから一歩成長したDXな一品です。

当初、2時間25分あった本編をカットカットで2時間10分に縮めた、笑いのシーンも涙のシーンも研ぎ澄まされて作ったシャープにして再演の呼び声も高い、劇団の代表作とも言える作品です。

ラストシーンに?の声も聞かれましたが、サタケ氏は「ラストシーンとラストへの流れは強烈な意味付けと複線があるんだけどな・・・」などとおっしゃっておりました。再演の折には、皆様そこらへんにも注目してみては。

裏話-内部告発-

デラックスという、格好いいんだか悪いんだかわからない名前がくっついた新生セレソンの一発目だけあって、色々と今までと変わった面があったようだ。メカオンチの集団の癖にホームページなんて物を立ち上げて、前宣伝をバンバンしたからかどうかわからんが、チラシと内容がまったく違うなんてことがあたりまえだった前作までに比べ、比較的チラシに(というより前宣伝か)そった内容であったと思うのは私だけであろうか。それもそのはず、今作品は台本が稽古前に配られ、そしてほぼ100%台本通りに上演されたという今までのセレソンでは考えられない事態が起きていたのである。

稽古中の裏話的なことは、演出助手の藤田女史執筆の稽古場日記に記されている通りなのでそちらを是非ごらん頂きたいが、人物紹介を読んで揃いも揃って馬鹿ばかりだ、などと思わないで頂きたい。

代表宅間は公演中毎日毎日朝まで大騒ぎし、そのせいで稽古1ヵ月半の間びくともしなかった声を最終日にはほんのり枯らしていたし、今作品のヒロイン若菜役の水谷などは土曜の夜の部の緊張感いっぱいのシーンで、若い頃を演じるためにかぶっていたヅラを豪快にずらすという笑えない親父ギャクをかましていたし、それから、今回バリバリの2枚目役立った圭介役の西村に至っては、転換があることを忘れて次のシーンのために着替えだしたところで思い出し、慌てて戻ったはいいがパンツ一丁で真っ暗な舞台の上をうろうろしていたというお利巧さんぶりを見せつけた。

公演のたびに骨折している砂塚舞は(前回「異人達のラプソディー」出演時は肋骨)今回もきっちり手首を骨折。次回公演ではどこを折ってくれるか今から楽しみで仕方がない。

まあ、あれだけ人の悪口を列挙してきた藤田京子自身、大学を留年する才女振りを発揮しているわけだから、馬鹿に馬鹿呼ばわりされた東京セレソンデラックスの面々がいかに世間に対応しうる人間に更正したか、本番を見たお客さんは納得の限りであろう。

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